富山・氷見No.417★★地図で見る →
氷見の寒ぶり
寒い時期の富山湾で獲れ、脂がのりきったブリ。網は沖、競りは閉じた市場のなかにある。だから産地に触れる場所は、氷見漁港の隣に建つ場外市場になる。通年開いていて、鮮魚棟は朝から動いている。

ブリは秋から冬にかけて日本海を下ってくる。富山湾はそれを、氷見の沖に張った定置網で受け止める。ただし、そのすべてが「ひみ寒ぶり」になるわけではない。判定委員会が年ごとに開け閉めする期間のあいだに富山湾の定置網で獲れ、氷見の魚市場で競られたものだけが、その名で呼ばれる。期間や魚体の基準を外れたものは、ただのブリだ。網も市場も働く現場だから、旅行者が入れるのは市場の表側にあたる。漁港のすぐ横に建つ場外市場で、この海岸の漁師小屋にちなむ「番屋」の名を冠した低い棟が、列をなして並んでいる。
なぜ穴場のままか
有名な魚であり、混む市場でもある。隠れ家ではない。それでもここが使えるのは、予約が要らないからだ。鮮魚棟は朝8時半に開いて一本いくらで並び、その間にフードコートがあり、海側の足湯はただで入れる。良いブリがたいてい宿の会席の形でしか出てこない土地では、この違いは大きい。
歴史・背景
氷見の漁を支えてきたのは、船よりも仕掛けだった。16世紀後半の天正年間、この海岸で定置網が根づく。町の沖に浅い棚が広がる地形が、網を張るのに向いていた。やがて土地の型は越中式定置網と呼ばれるようになる。後の世代は、いったん入った魚が出口を見つけにくいように仕掛けを組み替えていった。岸に建つ市場そのものはずっと新しいが、なぜここに建つのかといえば、数百メートル先で四百年ぶんの網が揚げられてきたからだ。
見どころ(歩く順)

- 鮮魚棟
- 市場の顔にあたる棟。8時30分から並び、その日の魚が尽きたところで終わる
- 物販の棟
- 氷見うどん、干物、氷見牛、加工品。8時30分から18時まで
- フードコート
- 棟と棟のあいだのカウンター。昼だけでなく朝から動いている
- 回転寿司
- 市場付きの寿司棟。10時から、ほかが閉まったあとの20時まで開いている
- 無料の足湯と氷見温泉郷 総湯
- 敷地の海側にある屋外の足湯。その隣に温泉の総湯が続く
おすすめの楽しみ方
来るなら朝がいい。鮮魚棟は8時30分に開き、その日の魚がなくなった時点で閉まる。ここだけは待ってくれない。ほかの棟は18時まで、回転寿司は20時まで動いている。ブリの漁が本格的になるのは11月から12月、漁師が鰤起しと呼ぶ冬の雷が鳴ったあとで、寒ぶりという名にいちばん合う季節はそこからだ。締めは棟の端の足湯で。
実際の行き方
- 高岡駅→氷見駅(JR氷見線・おおむね1時間に1本)。
- 氷見駅→ひみ番屋街(加越能バスで約12分。徒歩でも20分あまり)。
- まず鮮魚棟へ。8時30分に開き、売り切れ次第で閉まる。
- フードコート、回転寿司と棟づたいに進み、最後は無料の足湯で締める。
- 氷見駅から加越能バス
- 氷見駅→ひみ番屋街、加越能バスの番屋街行きで約12分。停留所は敷地の正面なので、降りてからの徒歩はない。氷見駅は高岡駅から延びるJR氷見線の終点で、列車はおおむね1時間に1本の間隔だ。
- ひみ番屋街から戻る
- 同じバスで氷見駅へ。時間が合わなければ徒歩でも20分あまりで着く。氷見線の本数は1時間に1本ほどなので、席に着く前に帰りを決めておきたい。市場の食事処は、気づかないうちに1時間を吸い取る。
行く前に
- 現金
- 入場料はなく、支払いは棟ごと・店ごと。足湯は無料。隣接する温泉の総湯は別料金で、カードが使えるかは店によるので現金も持っておきたい。
- 定休
- 休みは1月1日。鮮魚棟は港の初競りに準じる。営業時間は棟で違い、鮮魚・物販とフードコートが8時30分から18時、飲食は11時から18時、回転寿司は10時から20時まで。鮮魚棟は売り切れ次第で閉まる。
- 別ルート
- 車なら能越自動車道の氷見ICから約8分。普通車220台・バス10台の無料駐車場がある。高岡から能登へ海沿いを走るなら、こちらが現実的だ。
- 降りたあと
- ひみ番屋街の停留所は敷地の正面の道路上にあり、棟の並びは数歩先から始まる。漁港は防波堤の向こう側。足湯は棟の列のいちばん海寄りにある。