秋田・中通No.427★★★地図で見る →
きりたんぽ
つぶした米を杉串に巻いて焼き、切って鶏の鍋に入れる県北の郷土食。材料は秋田市民市場に一通りそろう。駅から徒歩5分、夜明け前から開いている。

きりたんぽは、炊きたての飯を半分ほどつぶすところから始まる。それを杉の串に巻きつけ、表面が色づくまで炭火で回す。串から抜いて鍋に入る長さに切り、比内地鶏、ごぼう、ねぎ、まいたけ、せり、糸こんにゃくと一緒に煮る。旅の季節ではなく米の収穫に結びついた料理で、伝わってきたのは県の北半分だ。秋田市では市場がその接点になる。鶏も、きのこも、せりも、たんぽそのものも、数歩の距離に並んでいる。
歴史・背景
起こりは県北の山だとされる。マタギや、炭を焼き木を伐る人たちが、残った飯を棒に刺して火であぶり、鳥の鍋に落としたのが始まりと伝わる。名の「たんぽ」は稽古用の槍の穂先を包んだ形から来ていて、棒に巻いた飯がそれに似ていた。切って鍋に入れるから「きり」が付く。出汁をとる比内地鶏は一度食卓から消えかけ、地元の働きかけでその名とともによみがえった。市場のほうは戦後に開かれ、のちに同じ区画で建て替えられている。
見どころ(歩く順)

- 鮮魚の通り
- 近海の魚が氷の上に並び、筋子やたらこは量り売り
- 比内地鶏とたんぽの売り場
- 県外では手に入りにくい二つ。鶏肉とパック詰めのたんぽが並ぶ
- 山菜ときのこの棚
- 旬の山菜、きのこ、地の野菜。並ぶものが週ごとに入れ替わる
- 乾物と地酒
- 佃煮や乾物、県内の蔵の酒、秋田らしい土産物がまとまる一角
- 千秋公園
- 北へ少し歩いた久保田城跡。御隅櫓と表門が復元されている
おすすめの楽しみ方
朝が本番だ。5時から店が開き始め、勤め人が動き出す前がいちばん賑わう。18時の閉場より早くしまう列もある。季節としては、新米とせりが出る秋がこの鍋の時期にあたる。鍋を炊く場所がなくても、真空パックのたんぽなら持ち帰れる。同じ売り場に置いてある。
実際の行き方
- 東京→秋田駅(秋田新幹線こまち・乗り換えなし)。
- 秋田駅→秋田市民市場(徒歩約5分)。
- 館内を順に見る:鮮魚→比内地鶏とたんぽ→山菜ときのこ→乾物と地酒。
- そのまま駅の北、久保田城跡の千秋公園まで歩く。
- 秋田駅から歩く
- 秋田駅→秋田市民市場は徒歩約5分。秋田駅は東京からの秋田新幹線の終点で、JR奥羽本線・羽越本線・男鹿線も集まるので、来る人はほぼ同じホームに降りる。乗り継ぎは要らず、市までの運賃のほかに交通費はかからない。
- 秋田駅へ戻る
- 同じ道を5分歩けば駅に着く。市場が閉まったあとも列車は夜まで動いているので、帰りの時刻より市場の営業時間のほうが行動を決める。新幹線も在来線も同じコンコースに集まるため、冷たい買い物を抱えて街を横切る必要はない。
行く前に
- 現金
- 入場料はない。観光施設ではなく現役の市場で、店は小さいので現金を用意しておくのが確実。筋子やたらこはパックでなく量り売りなので、値段は頼む量で決まる。
- 定休
- 日曜が休み。ほかに臨時休業や臨時営業があり、年末は動きが大きい。営業時間は5時から18時とされているが、店ごとに開け閉めの時間が違うので、早い列は市場が開いているうちに閉まる。
- 別ルート
- 料理の生まれた県北、大館や鹿角の方角からはJR奥羽本線が秋田駅まで下りてくる。市場を旅の入口ではなく締めくくりに置くこともできる。
- 降りたあと
- 秋田駅から中通方面へ徒歩約5分。通りから少し引いた低い棟で、歩道側に専用の入口がある。