高知西・黒潮町No.457★★★地図で見る →
鰹のたたき
土佐では、鰹を藁の炎で炙る。強く、短く、表面だけ。黒潮町の道の駅ではその火を目の前で焚いていて、魚は道の先の港で揚がったものだ。

鰹のたたきは高知を代表する一皿だ。三枚におろした身を藁の火にかざす。藁は激しく燃えてすぐに消えるので、表面だけが焦げ、中は生のまま残る。切り分けた身を塩で叩くか、柚子酢と醤油を合わせたタレをかける。この「叩く」工程が名前の由来だと説明されることが多い。黒潮町の佐賀は一本釣りの港で、生きたイワシを撒き、竿で一匹ずつ釣り上げる。その日のうちに戻る船が揚げるものを、町では日戻り鰹と呼ぶ。道の駅なぶら土佐佐賀は、この水揚げの上に建っている。
歴史・背景
高知には、土佐の殿様が食中毒を理由に鰹の生食を禁じたので、人々は表面だけを炙って焼き魚だと言い張った——という話が広く伝わっている。ただし高知城歴史博物館の学芸員は、これを裏づける史料は見つかっていないとしており、あくまで言い伝えとして扱うのが正しい。より素直な説明は、鮮度を保てない船上で漁師が食べていたまかないだった、というものだ。道の駅なぶら土佐佐賀が開いたのは2014年。「なぶら」は魚の群れを指す土地の言葉である。
見どころ(歩く順)

- 土佐佐賀駅
- 中村線の無人駅。島式ホーム1面2線の、歩いて入る玄関口
- 藁焼きのカウンター
- フードコートの実演台。藁の束に火を入れ、並んだ客の前で身を炙る
- 直販所
- 日戻り鰹、黒潮町の天日塩、地元の野菜が朝から並ぶ売場
- 佐賀漁港
- 駅の東にある一本釣りの港。町の鰹が水揚げされる場所
おすすめの楽しみ方
藁を焚くのは昼どきなので、午前の遅い時間から午後の早い時間を狙うといい。直販所はフードコートより早く開き、遅くまで開いている。最初のひと切れは塩で。黒潮町では同じ町内で天日塩をつくっていて、塩で食べると脂の輪郭がはっきり出る。タレはそのあとでいい。
実際の行き方
- 高知駅→土佐佐賀駅(特急あしずり。土佐くろしお鉄道へ直通、乗り換えなし)。
- 土佐佐賀駅→道の駅なぶら土佐佐賀(国道56号を北へ徒歩約10分)。
- フードコートで藁焼きを見てから、たたきの定食を注文。まず塩で、次にタレで食べ比べる。
- 駅へ戻るか、東の佐賀漁港の方へ足を延ばす。
- 特急あしずり・高知駅から乗換なし
- 高知駅→(JR土讃線・土佐くろしお鉄道中村線/特急あしずり直通)→土佐佐賀駅で、およそ1時間半。乗り換えは不要。本数は多くないので、出発前に発車時刻を調べておきたい。
- 土佐佐賀駅から戻る
- 帰りも同じ特急あしずりで高知方面へ。この区間は夕方以降の本数が細るため、席に着く前に帰りの列車を決めておくと安心だ。土佐佐賀駅は無人駅なので、きっぷの扱いに少し時間を見ておきたい。
行く前に
- 現金
- 道の駅そのものは入場無料で、食べた分・買った分だけを払う形。地方の道の駅ではカードやICの可否が売場ごとに違うため、現金を用意しておくと確実だ。高知からの鉄道は乗車券に特急料金が加わる。
- 定休
- 確認時点では、直販所が8時〜18時、フードコートが平日9時〜15時、土日祝は18時まで。藁焼きはフードコートの営業に沿うので、平日の夕方に着くと見られないことがある。
- 別ルート
- 西からなら、同じ特急あしずりが中村方面から土佐佐賀に着く。車の場合、道の駅は高知県西南部の海沿いを走る国道56号に面している。
- 降りたあと
- 土佐佐賀駅から北へ徒歩約10分。道の駅は国道56号沿い、山側にある。