佐賀・唐津 鎮西No.464★★地図で見る →
呼子のイカ
呼子で揚がったイカは、いけすから直接皿にのる。名前を担う種類は季節ごとに入れ替わり、一年のどこかで必ず旬が回ってくる。国道204号沿いの道の駅は、その水揚げが予約席ではなく公の棚と出会う場所だ。

呼子は東松浦半島の先、玄界灘の潮が抜けていく岬のたもとにある。ここで揚がるイカは、保存する食材ではなく生きたまま扱う食材だ。注文が通ってから網が入り、向こう側の皿の模様が透けるうちに皿にのる。残った下足は厨房へ戻り、天ぷらや塩焼きになって二度目が来る。名前を担う種類はひとつではない。ケンサキイカを主役に、アオリイカ、ヤリイカ、甲イカが季節を順に受け渡していく。国道204号沿いの道の駅 桃山天下市は、その水揚げが誰でも近づける棚に並ぶ場所になっている。
なぜ穴場のままか
秘密の場所ではない。呼子のイカは佐賀を代表する名物で、港の飲食店街は県の旅程の常連だ。道の駅が変えるのは知名度ではなく単位のほうだ。その日に何が入ったかを眺め、持ち帰れる形を買い、同じ一時間のうちに城跡まで歩ける。席を予約しなくてもいい。
歴史・背景
この岬にはもっと古い話が重なっている。1591年、豊臣秀吉は朝鮮への出兵の前線基地としてここに城を築かせ、一年あまりを在陣して過ごした。周囲の丘には全国の大名の陣が並んだ。城は江戸時代の初めに破却され、石垣も広い範囲で崩された。だからいま残るのは建物ではなく、礎石と石垣と陣跡の連なりだ。その敷地の隣に県立の博物館が建ち、道の駅はその入口にあたる位置に立っている。
見どころ(歩く順)

- 水産物直売所
- 道の駅の魚の棚。その日のイカと玄界灘の水揚げが並ぶ
- 物産館ときめき彩館・実演販売
- イカしゅうまいなどイカの加工品を仕立てて売る建物
- 佐賀県立名護屋城博物館
- 半島と朝鮮半島の交流史を扱う観覧無料の博物館。バス停から徒歩約5分
- 名護屋城跡
- 博物館の裏手の岬に広がる石垣と礎石。周囲には諸大名の陣跡が点在する
おすすめの楽しみ方
予定は昼に置くのがいい。農産物直売所がいちばん早く開き、売店は日中いっぱい、レストランは昼の時間だけ動く。午後の早いうちに着けば、全部が開いている時間に重なる。棚に何のイカが並ぶかは運ではなく月で決まるので、種類を指名するより「今朝は何が入ったか」を聞くほうが早い。棚と城跡を続けて歩けば、海と半島の歴史がひとつながりになる。
実際の行き方
- JR唐津駅→唐津大手口バスセンター(徒歩5〜8分)。
- 大手口→名護屋城博物館入口(昭和バス・約45分)。
- 道の駅 桃山天下市は停留所の前。まず水産物直売所、それから物産館へ。
- 西へ徒歩約5分で佐賀県立名護屋城博物館、その先が名護屋城跡。
- 唐津から昭和バス
- JR唐津駅→唐津大手口バスセンターまで徒歩5〜8分(約500m)。そこから昭和バスで約45分、名護屋城博物館入口で降りる。道の駅は停留所のすぐ前だ。野元・名護屋線、湊・波戸岬線などが通り、呼子線は呼子で乗り換えになる。
- 同じ停留所から戻る
- 帰りも同じ道の駅前の停留所から大手口へ。大手口からJR唐津駅までは歩いてすぐだ。半島の路線は本数が多くないので、館内に入る前に掲示の時刻を見ておきたい。ここで一本逃すと、待ち時間は短くはない。
行く前に
- 現金
- 道の駅は入るだけなら無料で、駐車場も無料。商品は量り売りと個売りで、店によっては現金のみのこともあるため紙幣は用意しておきたい。昭和バスの運賃は乗車距離で変わり、車内で支払う。
- 定休
- 確認時点の営業は、農産物直売所が7時30分から、売店が9時から18時、レストランが11時から15時(ラストオーダーは1時間前)。1月1日から3日は全体が休みで、施設ごとに週の定休が別にあり、水産物直売所は火曜が休みと案内されている。
- 別ルート
- 車なら国道204号にそのまま面していて、駐車場もある。バスに乗らず半島をドライブする日は、ここが自然な休憩点になる。
- 降りたあと
- 名護屋城博物館入口の停留所は国道204号沿い、道の駅のすぐ横にある。降りてそのまま敷地に入れる。博物館と城跡へは、停留所から西へ徒歩約5分。