和歌山・みなべNo.428★★地図で見る →
紀州南高梅
和歌山県みなべ町、国道沿いに建つ町営の梅の資料館。入館無料で、日本一の梅の産地が梅そのものを説明する。1階は町の歴史、2階は梅、3階は梅干しを売る物産コーナーだ。

みなべ町があるのは紀伊半島の、急で礫の多い斜面だ。畑にするには向かない土地に、この町は一つの技術ではなく仕組みで答えた。尾根には薪炭林を残し、その下の斜面に梅を植え、花の季節にはミツバチを働かせて実を結ばせる。残された林は薄い土をつなぎとめ、備長炭の窯にも薪を供給してきた。この町で生まれた南高梅は、果肉が厚くやわらかく種が小さい。日本の梅干しの多くが、この品種でできている。
なぜ穴場のままか
ここは観光地というより現役の農村で、梅は見せ物にされず、説明される。訪ねる日を決めるのは町の暦のほうだ。晩冬に花が咲き、初夏に実が採れ、その間の季節も資料館は無料で開いている。
歴史・背景
この斜面で梅が育てられてきたのは、およそ400年になる。ほかに向く作物がない土地で組み上がったのは、単独の技術ではなく仕組みだった。上の斜面に薪炭林を残して土を留め、炭の窯に薪を回し、その下に梅を植え、花の時季にはミツバチを入れる。この組み合わせは「みなべ・田辺の梅システム」として、2015年に国連の世界農業遺産に認定された。2階は、その部品が並べて示されている場所だ。
見どころ(歩く順)

- 1階 歴史ゾーン
- 町の農と暮らしの歩み。弥生時代の銅鐸6口と、備長炭を運んだ駄賃馬のジオラマ
- 2階 梅資料ゾーン
- 展示の主役の階。梅が日本へ渡ってきた道筋から、梅干しが漬かる仕組みまで
- 南部梅林のパノラマ
- 町の梅林を写した大型模型。館内では一年じゅう満開のまま
- 古い梅干しの実物
- およそ150年前の梅干しを、写真ではなく現物で見せる展示
- 南部梅林
- 模型のもとになった梅林そのもの。花の時季の数週間だけ開く
おすすめの楽しみ方
開館は9時から17時、展示室への入場は16時30分まで。入館料はいらない。町がいちばん動くのは晩冬で、梅林が開き、斜面が白くなる。そのときだけは、2階のパノラマが代役をやめる。ほかの季節に来ても最上階は生きていて、町の梅干しが実際に売られているのはそこだ。
実際の行き方
- 新大阪・天王寺→南部駅(JR紀勢本線の特急。通過する列車もある)。
- 南部駅→うめ振興館(内陸へ約2.6km。徒歩30分ほど、またはタクシー)。
- 1階から順に上がり、最上階の物産コーナーで締める。
- 晩冬なら、そのまま町の梅林へ花を見に足を延ばす。
- JR紀勢本線で南部駅へ
- 新大阪・天王寺から紀伊半島を南下する紀勢本線の特急が、南部駅に停まる。駅から資料館までは内陸へ約2.6km、歩けば30分ほど、駅前のタクシーなら数分。特急のなかには南部駅を通過する列車もあるので、乗る前に確かめておきたい。
- 南部駅から戻る
- 歩くかタクシーで南部駅へ戻り、北へ向かえば和歌山・大阪方面、南へ向かえば紀伊田辺・白浜方面。通過する特急があるぶん、駅を離れる前に帰りの列車を決めておくと安心だ。
行く前に
- 現金
- 入館は無料。3階の物産コーナーでは町の梅干しや梅の加工品を買える。小さな道の駅では支払い方法を当てにしないほうがよく、現金とカードの両方を持っておきたい。
- 定休
- 休館は毎週火曜日。火曜が祝日にあたる日はその翌日が休みになり、年末も閉まる。ただし2月だけは例外で、花の季節は無休で開く。月ごとの臨時休館日は町の公式サイトに出る。
- 別ルート
- 車なら国道424号沿いの道の駅がそのまま資料館で、阪和自動車道みなべICから内陸へ入ってすぐ。実際、来館者の多くは車で着く。
- 降りたあと
- 南部駅から内陸へ、川沿いに約2.6km。歩いて30分ほど、駅前のタクシーなら数分で着く。