三重・松阪No.433★★★地図で見る →
松阪牛
日本でもっとも名の知られた和牛と、その名を持つ商家の町。魚町の観光交流センターを起点にすれば、肉の店も豪商の屋敷もひと続きに歩ける。

松阪牛は品種の名ではなく、育て方の名前だ。兵庫県で生まれた黒毛和種の子牛を松阪周辺の農家が引き取り、時間をかけて肥育する。なかでも上位の「特産松阪牛」と呼べるのは、未経産の雌を生後12か月までに導入し、900日以上かけて仕上げたものだけに限られる。ゆっくり積んだ脂は溶ける温度が低く、ステーキよりすき焼きや薄切りで供されることが多いのはそのためだ。町側の入口は、商家が並ぶ魚町通りに立っている。
歴史・背景
松阪の農家は古くから、兵庫・但馬で生まれた若い雌牛を迎え、田畑の役牛として使ってきた。明治以降はその牛を手放さず長く肥やす方向へ進み、そこから育った長期肥育の技術が土地の看板になる。国は2017年、この積み重ねを「長期肥育による肉質の探求にいち早く特化した」と評価して、特産松阪牛を地理的表示に登録した。牛の話が、そのまま町の商いの歴史になっている。
見どころ(歩く順)

- 豪商のまち松阪 観光交流センター
- 魚町通りの二層の施設。一階は観光と食の案内と土産、二階は参宮街道の街並み模型とシアター
- 旧長谷川治郎兵衛家
- 同じ通りに残る、江戸期の木綿問屋の邸宅
- 本居宣長宅跡
- 『古事記伝』の国学者が育った屋敷の跡地。ひと筋隣にある
- 旧小津清左衛門家(松阪商人の館)
- 江戸の店で紙と木綿を商った豪商の町家。土蔵が今も残る
- 松坂城跡・御城番屋敷
- 町の西の高みに続く石垣と、その下で今も人が暮らす武家屋敷の一画
おすすめの楽しみ方
観光交流センターは9時に開いて18時に閉まる(12〜2月は17時まで)。午前のうちに着けば、町歩きの時間をまるごと残せる。肉の店は先に決めておくと動きやすく、一階のカウンターでは店の案内とまわり方の相談をまとめて頼める。脂を味わうならすき焼き、歩き続ける日の昼なら焼き物のほうが軽い。
実際の行き方
- 名古屋→松阪駅(近鉄山田線またはJR紀勢本線。特急も停車)。
- 松阪駅JR口→豪商のまち松阪 観光交流センター(西へ徒歩10分ほど)。
- センター→旧長谷川治郎兵衛家→本居宣長宅跡→旧小津清左衛門家。いずれも魚町の一角。
- 商家の通り→松坂城跡・御城番屋敷(さらに西へ少し歩く)。
- 名古屋から近鉄またはJRで
- 松阪駅には近鉄山田線とJR紀勢本線が乗り入れ、名古屋からの特急も停まる。JR口を出て西へ徒歩10分ほどで商家の一角に入る。時刻や運賃はダイヤ改正で変わるので、各社のサイトで確かめてから動きたい。
- 松阪駅へ戻る
- 同じ通りを東へ戻れば、徒歩10分ほどでJR口に着く。近鉄とJRは同じ駅舎なので、乗る路線に合わせて改札を選べばよい。日が落ちると本数が減るため、夕食まで滞在するなら終列車の時刻を先に見ておきたい。
行く前に
- 現金
- 旧長谷川治郎兵衛家・旧小津清左衛門家・松阪市立歴史民俗資料館には共通入館券がある。観光交流センターは案内と土産の施設で、専用の駐車場は持たない。肉の店はカードが使えるかどうかが店ごとに違うので、現金も持っておきたい。
- 定休
- 観光交流センターは年末年始(12月30日〜1月2日)が休館で、冬は閉まる時間も早くなる。商家の通りは屋外なので季節を選ばず歩けるが、各屋敷はそれぞれの休館日を持っている。
- 別ルート
- 伊勢方面からは近鉄で北へ。松阪は伊勢市駅・宇治山田駅と同じ線上にあり、伊勢神宮の前後に無理なく挟み込める。大阪方面からの近鉄特急も、伊勢へ向かう途中でこの駅に停まる。
- 降りたあと
- 松阪駅のJR口を出て、西へ徒歩10分ほど。魚町通りに入ればもう商家の一角で、観光交流センターはその中に建っている。