宮城・仙台No.447★★地図で見る →
笹かまぼこ
笹の葉の形をした焼き蒲鉾で、明治期の宮城に生まれた。日常の買い方をするなら、仙台駅から西へ数分の常設市場・仙台朝市がいちばん近い。

笹かまぼこは、観光向けに作られた菓子めいた食べ物ではなく、まっとうな蒲鉾だ。白身魚をすり身にし、味をつけ、笹の葉の形に整えて表面が色づくまで焼く。蒸した蒲鉾より弾力が強く、歯切れがいいのはそのためだ。そのまま食べても、わさび醤油でも、おでんの鍋に落としてもいい。日常の買い物としてこれが並ぶのが仙台朝市で、南町通の一本南を走る細い一本道に沿っている。駅とバスプールのすぐそばにあり、市民はここを「仙台の台所」と呼ぶ。
なぜ穴場のままか
笹かまぼこ自体は宮城じゅうの売店に置かれていて、発見でも何でもない。素通りされているのは市場のほうだ。通りに面した側に壁のない路面店が並び、家庭の買い物客と飲食店の主人が同じ棚を覗いている。そして「朝市」という名は、とうに賑わう時間帯を言い当てていない。
歴史・背景
明治期、仙台の沖ではヒラメやスズキ、タイが売り切れないほど揚がった。冷蔵も輸送も乏しい時代で、余った魚を魚屋がすり身にし、手で形を取って串に刺し、焼いて保たせた。呼び名は「手のひらかまぼこ」「べろかまぼこ」などと一定せず、笹の葉の形と伊達家の家紋にある笹にちなむ名前で落ち着いたのは昭和に入ってからだ。市場のほうは別の歴史を持つ。戦後、焼け跡の駅前に並んだ露店から始まり、1985年に商店街の連合会として組織化され、1992年に振興組合となった。
見どころ

- 朝市通り
- オーニングを張った路面店が並ぶ、市場そのものの細い一本道
- 鮮魚店の列
- 他の市場が飲食店街へ変わるなかで、この市場が手放さなかった商い
- 加工食品の専門店
- かまぼこ、乾物、漬物、豆腐。同じ列に専門店が並ぶ
- 新仙台駅前ビル
- 通称「仙台アメ横」。市場の一角で、通りの上に小さな店が積み上がる
- 青果と惣菜の店
- 野菜、豆や穀物、団子や惣菜。市場の日常を担う側
おすすめの楽しみ方
来るなら午後がいい。名は朝市だが、実際は平日の朝から夕方まで開く常設市場で、昼過ぎから夕方にかけていちばん人が動く。帰り道でつまむ分と、持ち帰る箱入りを分けて買うのが賢い。わさび醤油が合い、鍋に入れても形が崩れにくい。真空包装のものを一日持ち歩くなら、日付だけは見ておきたい。
実際の行き方
- 仙台駅西口→イービーンズ側のペデストリアンデッキから地上へ降りる。
- 地上→朝市通り(南町通の一本南、仙台パルコ2の西側。全体で徒歩5分ほど)。
- 買う前に通りを端から端まで歩く。鮮魚、青果、加工食品の店が混ざって並んでいる。
- 同じ道を戻って駅へ。改札までは数分の距離。
- 仙台駅から歩く
- 西口を出て徒歩5分ほど。イービーンズ側のペデストリアンデッキから地上へ降りるのが近い。通りは南町通の一本南、仙台パルコ2の西側にあり、看板を掲げて待っているというより、建物のあいだにふっと口を開けている。
- 駅へ戻る
- 通りを東へ戻り、ペデストリアンデッキを渡れば5分ほどでJRの改札に着く。新幹線も在来線も夜まで走っているが、市場のほうはずっと早く店じまいする。買い物を先に済ませ、列車はあとから決めればいい。
行く前に
- 現金
- 商店街なので入場料はない。店は小さく、カードを扱わないところもあるので現金を用意しておきたい。周辺のビルには有料駐車場があるが、駅とバスプールに隣り合う立地なので、歩いて来るほうが早い。
- 定休
- 週末のイベントではなく平日の市場で、名前に反して夜明けから開いているわけでもない。各店の休業日は振興組合のサイトに出ており、夕方には店じまいが始まる。通りは細く、空が抜けている部分もあるので、雨の日は傘があると歩きやすい。
- 別ルート
- 地下鉄なら南北線・東西線の仙台駅から。西1出口を出れば通りまで1分ほどだ。市街の西側から歩くなら、一番町のアーケードから南町通を東へ進み、駅の手前で一本南へ折れればいい。
- 降りたあと
- JR西口からペデストリアンデッキをイービーンズ方向へ渡り、地上へ降りて西へ進む。南町通の一本南、パルコ2の脇で、建物のあいだに通りが開いている。