鹿児島南・枕崎No.448★★★地図で見る →

薩摩焼酎

food王道を、いちばんいい形で

鹿児島のさつまいもの酒を、造っている場所で見る。枕崎の明治蔵は本格焼酎の製法が固まった明治末の姿を残す現役の蔵で、入館は無料。見学路の最後に試飲の台がある。

薩摩焼酎
実写(ライセンス済み)Sakaori / CC BY 3.0

薩摩焼酎は、名乗るための条件がついた酒だ。県内で穫れたさつまいもと県内で汲んだ水を使い、県内で発酵させ、単式蒸留器で一度だけ蒸留する——連続式で削ぎ落とすのではなく、原料の匂いを残すやり方である。県土の多くを覆うシラス台地は水はけが良すぎて稲には向かないが、さつまいもには合う。この酒が他所ではなくここに根づいた理由は、地面のほうにある。その南端に近い枕崎は漁師町で、薩摩酒造の明治蔵は港のすぐそばに立つ。白壁の蔵がそのまま見学路になっている。

歴史・背景

薩摩の蒸留は古い。日本で最も古い焼酎の記述は、県北・伊佐の神社に残る大工の木札に書かれている。さつまいもが琉球から渡ってきたのは江戸期のことで、稲の育たない土地に一気に広がり、やがて焼酎の原料は米から芋へ移っていった。今の造りを決めた技術——二段仕込みや黒麹への切り替え——が定まったのは明治の終わりごろだ。明治蔵が留めているのは、ちょうどその時代の姿である。

見どころ(歩く順)

明治蔵の展示室Sakaori / CC BY 3.0
かめ壺の仕込み場
地面に埋め込まれた壺。今も醪を発酵させるのに使われている
明治蔵の展示室
昔の焼酎づくりの道具と、さつまいもが薩摩へ渡った経路をたどる資料
試飲の台
蔵でしか瓶詰めされない焼酎を含む、飲み比べの並び
花渡川ビアハウス
同じ敷地にある、蒸溜所と同じ川の名を冠したレストラン
枕崎お魚センター
蔵から東へ歩いてすぐ、枕崎港の水産物が集まる直売施設

おすすめの楽しみ方

開館は9:00から16:00。港町での昼食の前にも後にも収まる長さだ。秋から冬にかけては仕込みが動いていて、蔵と「蔵の博物館」の違いがはっきりする。買う前に試飲の台で確かめるとよい。注がれるもののなかには、ここでしか瓶に入らない焼酎がある。

実際の行き方

起点
鹿児島市内
所要
約60分 · 鹿児島から車で
降車
枕崎駅(JR指宿枕崎線)
  1. 鹿児島中央駅→枕崎駅(JR指宿枕崎線。直通は1日3往復、ほかは指宿駅か山川駅で乗り換え)。
  2. 枕崎駅→薩摩酒造 明治蔵(タクシーで約5分、徒歩なら20分ほど)。
  3. 蔵に入ったら、案内つきの見学路と自由見学のどちらかを選ぶ。試飲の台は最後にある。
鹿児島市内から車で約1時間
蔵の案内では、鹿児島市内から南薩縦貫道経由で車約60分。鉄道ならJR指宿枕崎線の終点・枕崎駅まで行く。鹿児島中央から枕崎まで直通するのは1日3往復だけで、それ以外は指宿駅か山川駅で乗り換える。枕崎駅から蔵まではタクシーで約5分。
枕崎から戻る
指宿枕崎線は本数が少ないので、試飲で腰を落ち着ける前に枕崎駅で帰りの発車時刻を確かめておくとよい。駅までのタクシーは行きと同じ数分。車で来た場合は蔵に無料の駐車場があり、大型バスも入れる。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
明治蔵の入館は無料で、試飲も無料。売店と、同じ敷地のビアハウスは通常どおり支払いが要る。小さな町なので、カードだけでなく現金も持っておくと確実だ。
定休
年末年始は休館する。仕込みには季節があり、さつまいもの収穫後に集中するため、その時期を外すと建物と道具を見る見学になる。敷地は港のすぐ横で、風の強い日がある。
別ルート
車なら知覧から約30分、指宿から約60分。武家屋敷の通りや砂むし温泉と組み合わせて、一日で回れる距離にある。
降りたあと
枕崎駅はJRの終点で、蔵からは東へ1.5kmほど。タクシーなら5分、歩けば20分ほどの道のりになる。

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